帯と着物のザ・ゴールド新潟西店のねずみです。
春といえば皆さまはなにを思い浮かべますか?
春の象徴“桜”
この桜の花の紋様が浮かぶ石「桜石」を皆さまはご存知でしょうか。
山陰本線亀岡駅から西6km、京都・湯の花温泉近くに「桜天満宮」があります。
その裏山一帯では折れ口に六つの花びらをもった銀灰色の桜の花の形をした石が採掘されました。
この石が「桜石」です。過去には厄除けのお守りとして参詣者に配られていたそうですが、
1922年に天然記念物に指定されて以降は採集することも配ることもなくなりました。
桜石の伝説としては現代にも続く行事「節分」に纏わるものが一番有名です。
今回はその伝説についてお話をします。
桜石伝説 episode1
京都にある湯の花温泉、その源泉、元は鬼の流す涙だという言い伝えがある。
今から千年以上前のその昔、亀岡・稗田野の山々を根城に里の人々を恐怖に陥れていた鬼がいた。
村人や旅人を襲い財物や女を攫う異形のモノがいた。
時は九九〇年、困窮する稗田野を徳の高い行者が通りかかる。
人々の願いを聞き入れた行者が悪鬼退散の祈祷を行うこと二一日、
激しい雷鳴と共に走った稲妻が桜の木に落ち、その巨木を倒したという。
その巨木の根元には桜に似た紋様が浮かんだ金・銀・青色の無数の石が散らばっていた。
行者は其の石を「桜石」と名付け「彼のモノを払うのにこの桜石を投げつけよ」と告げる。
村人がこの桜石を彼のモノへ一斉に「悪鬼よ去れ」と投げつけた。
すると大音響と共に山が二つに割れ、鬼たちが次々と飲み込まれていった。
やがて村に平穏が戻ったころ、鬼を飲み込んだ山の麓から泉が湧き出てきた。
その泉に体を浸すと怪我や病が忽ち快気した。
よくよく耳を欹てれば「オーン、オーン」とナニかの泣く声が聞こえてくる。
人々の間ではいつしか此の泉は「鬼が流す涙」なのだろうと語り継がれている。
更に時がたち江戸中期、苗秀寺という寺の隅に置かれていた像を清めると恐ろしげな鬼が現れた。
住職は像を安置すると亀岡の村里へ向かい、金の桜石を投げつけた。
忽ち村に蔓延っていた流行病がピタリと治まったという。
亀岡の村里の流行病を根治し、厄災から守ったこの桜石。
石を投げると鬼が逃げる、病が治る。
現代でも行われる「鬼は外、福は内」という節分の行事は稗田野の桜石での鬼退治がはじまりだという。
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