こんにちは!貴金属・時計・ブランド買取のザ・ゴールド札幌狸小路3丁目店のぶたたまです。
本日は、エルメス革製品についてお話しします。
エルメスの革製品のお品物は「ものすごく高い!」というイメージをお持ちだと思います。
ではなぜ、そこまで価格が高いのか?それは、エルメスのバッグ・財布などの革製品は、
その品質のへのこだわりが凄いからです!商品によって使う部位を使い分けて作っていて、
例えば、牛革の場合は、1番丈夫な部分である、背中の革だけを使用しています。
しかも、一万頭の牛から、わずか30枚しか取れない、更に、傷がない革のみを使用しています。
加えて、エルメスのバッグが生み出されるアトリエには、革保管部があり、世界中から
取り寄せられた上質な革が、温度や湿度に細心の注意を払って保管されています。
そういう、拘りを持った革を使用し、更に、高等技術の職人による手作業で造るので、
エルメスの革製品は高額なのです。
では、エルメス革製品に使用されている革の種類はどれくらいあるのでしょうか?
牛革をはじめ、山羊革(シェーブル)、水牛革(ブッフル)、ワニ革(クロコダイル・アリゲーター)
ダチョウ革(オーストリッチ)、豚革(ピグスキン)、鹿革(セーム)、トカゲ革(リザード)、
など多岐に渡ります。
中でも、一番種類が多いのが牛革で、自然な状態の素材や型押し加工されたもの、スムース素材など
多種類あります。今回は、買取等で普段目にする機会の多い代表的な牛革の素材をご紹介します。
●牛革:自然な状態の素材
トゴ
1997年から使われるようになった、通称「トゴ」で知られる雄の子牛革です。エルメスの定番の革で、
革の風合いが楽しめ、適度な柔らかさで扱いやすく、摩擦にも強いため、バックや財布・小物など、
幅広いアイテムで使用されています。正式名称をヴォー・クリスペ・トゴと言います。深めの斑(革目)
を持ち、血管の筋が出ているものもありますが、皮の風合いをそのままの状態で使用しているため、
個性を楽しむことができます。
トリヨン クレマンス
エルメスのレザーの中で一番使われている、雄牛レザーです。しっとりした柔らかい質感はエルメスの
レザーの中でも群を抜いていて、キズや摩擦にも強く、その耐久性から「ガーデンパーティー」
「リンディ」「ピコタン」などをはじめとした様々なアイテムに使用されています。 適度な張りのある、
柔らかすぎない質感となっております。 ほどよい斑があるため、傷や擦れに強く、普段使いにも最適です
フィヨルド
通称「フィヨルド」で有名な雌の子牛革です。正式名称を「ヴァシェット・クリスべ・フィヨルド」
と言い、雌の子牛の革を使用した素材です。 自然な革の風合いをそのまま使用しており、
個性を楽しめる革です。トゴより柔らかめで、クレマンスよりも少し強い張りがあります。
傷や擦れに強く防水性に優れているため、デイリー使いに最適な素材です。
ネゴンダ
2007年に登場した雄仔牛のレザー。主にガーデンパーティーで展開されている。
ネゴンダとブッフルシンドゥの発色の違いから、カラーによって採用される素材が異なる。
エバーカラー
2013年に登場した比較的新しい素材。張りがありやや硬めの手触りとマット感が男女共に人気です。
財布などの小物に使われている事が多い素材。
●牛革:型押し加工されたもの
ヴォー エプソン
2003年から使われている、型押しされた雄の牛革です。クシュベルの廃番後、後継素材として
発表されました。細かな革目の型押しが施され、型崩れしにくい硬い質感が特徴で、エルメスの
アイテムに幅広く使われている、今でも人気の高いレザーです。軽量で持ち歩きやすい素材で、
傷擦れや水濡れにも強い素材です。
アルデンヌ
ベルギー南東部からフランスにまたがるアルデンヌ地方の雌牛の革に、プレス加工されたレザーです。
正式名称を「ヴァシェット・グレネ・アルデンヌ」といい、雌牛の革を使用した素材です。 現在は廃番
となっておりますが、人気素材の一つだったために中古品でも比較的出回っています。
プレス型押し加工のため適度なサイズの斑は均一で、カッチリとした硬めの質感があります。
頑丈で傷や濡れにも強く、一生物としてお持ち頂くには最適です。 後継素材はヴァッシュリエジェです。
クシュベル
雄の子牛革にガラス加工が施されたレザーです。正式名称をヴォー・グレネ・クシュベルと言い、
雄の子牛革を使用した光沢のある素材です。 以前は大変に人気のあった素材ですが、現在は廃番で、
直営店では手に入らないため、希少価値が高くなっております。 光沢のあるガラス加工と、後継素材の
エプソンより少し深めの型押しが施されています。 しっかりした質感がありながらも、軽量で、
傷擦れや水濡れに強く扱いやすい素材です。
カントリー
ほどよい硬さとプレス加工を施した型押しが特徴の雌仔牛のレザー。2012年に登場しました。
主にガーデンパーティーで展開されています。
グランアッシュ
プレス加工を施し、整列された細かな型押しが特徴の雄仔牛のレザー。2012年に登場しました。
バッグから小物まで幅広いアイテムで展開されています。
●牛革:スイフト素材
ボックスカーフ
世界最高品質のレザーの一つと言われる生後3~6ヶ月までの雄の子牛革です。 なめし液に浸す時間が
短時間なため、硬さがあり、高価な革の質感があります。表面はガラス加工が施され、水シボと呼ばれる
一方向へ流れる繊細なシワが微かに見られます。美しい光沢と滑らかさが特徴です。
ヴォー スイフト
2003年から使われている、雄の子牛革を使用した、滑らかで比較的柔らかい質感です。
斑(革目)は浅く、軽めの素材でありながら、高級感も併せ持っています。
大きな型崩れはせず、手に馴染む程度の使用による変化を楽しめる素材です。
小さな傷や擦れは、お手入れによって目立ちにくくすることが可能です。
ヴォー バレニア
雄の子牛革で、マットな質感と防水性に優れた素材です。使い込むほどにツヤ感や味わいが出てくるため、
エルメスの皮革製品でも人気素材の一つです。また、時計のベルトなどにも使われることがあり、
アップルウオッチ・エルメスのレザーバンドにも採用されていることで有名です。
以上が一部代表的な素材を挙げましたが、まだまだ沢山の種類の素材がございます。
牛革以外にも、山羊革、ワニ革、水牛革、オーストリッチ革など、拘りのレザーが沢山あります。
エルメス曰く良いレザーとは、「厳選され、美しく、そして感動をもたらすもの」であり、
「手が呼ばれているような、つい触れたくなるレザー」と言っています。
この世に一つしかない一点ものレザーには「素材に対する敬意が必要」とも言っています。
ここに、エルメスのレザーにおける哲学を感じるのは私だけでしょうか?